「ノートパソコンによる計測と制御」 
 (HTBasic/HPBASICへの誘い)


タイトル:「ノートパソコンによる計測と制御」
サブタイトル: HT(HP)BASICへの誘い
著作:防災科学技術研究所 富永雅樹
出典:防災科学技術研究所研究報告 第67号抜刷(平成17年3月)
装丁:本文34ページ、抜き刷り簡易装丁

Mesurement and Control by Note PC
-Intrduction to HT(HP)-BASIC-
TOMINAGA, Masaki
Advanced Technology Research Group,
National Research Institute for Earth Science and Disaster Prevention, japan

 
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1.はじめに
2.HT(HP)-BASICの歴史
3.HT-BASICのアウトライン
3.1 HT-BASICの特徴
 (1)インタプリター(Interpreter)言語
 (2)コンパイラ機能
 (3)BASIC言語
 (4)サブルーチン
 (5)ファイル入出力
 (6)GPIB
 (7)ビット入出力(GPIO)
 (8)HT-Basic Plus
 (9)グラフィック出力
3.2 HT-BASICのインストール
 (1)プログラム
 (2)GPIBカード
 (3)デジタルI/Oカード
4.HT-BASICのプログラミング1
4.1 対話型プログラム
 (1)EDIT画面
 (2)キーボードからの入力(プログラムの中断と変数の変更、任意行からの再開)
 (3)キーボードからの文字列入力(文字変数の変更、任意行からの再開)
 (4)プログラムの保存と呼び出し
 (5)ソフトキーと、プログラムの停止、続行、中止
4.2 外部機器の制御
 (1)GPIBによる機器制御(アドレス指定、機能指定、データ入力)
 (2)ビット入出力(GPIO、ビット操作)
 (3)オートスタート
4.3ファイル操作
 (1)アスキーファイルの作成、データの書き込み、呼び出し
 (2)ファイル名の自動生成と配列入出力
5.HT-BASICのプログラミング2(汎用PCカード(InesDAQi250)による制御)-ines/ELAN-
5.1InesDAQi250 PCカードの概要
5.2 A/D変換のプログラム
 (1)1チャンネルで1個だけデータを読み込む
 (2)複数のチャンネルで1個だけデータを読み込む
 (3)1チャンネルで高速にデータを取り込む
 (4)複数のチャンネルで高速にデータを取り込む
   @実数モードでのデータ収録
   A整数モードでのデータ収録
5.3 ビット入出力のプログラム
 (1)ビットデータの出力
 (2)ビットデータの入力
6.HT-BASICのプログラミング3
 (1)ループと分岐
 (2)サブプログラムと関数1(SUB、 COM、FN )
 (3)サブプログラムと関数2(GOSUB、 FN、CSUB )
 (4)号列計算(MAT)
 (5)論理式
 (6)ビット操作
 (7)複素数
7.HT-BASICのプログラミング4
7.1 グラフ出力
 (1)関数のグラフを書く
 (2)オンライン入力データをグラフで表示する
7.2 グラフィックスの出力と保存
7.3 HT-BASIC Plus
8.変数の定義
9.あとがき

参考文献

 Abstract
Mesurement and control system by use of computer are becoming popular. Most of them that we can use in daily experiments are offered in the form of pre-fixed systems. The pre-fixed systems are designed to remove complexity in the setup of the instrumentation and control systems. It is true that the hardware is well combined with the software in those systems, but it is difficult or impossible for us to modify them for our own use. On the other hand the published software that have flexibility in use are so well designed that researcher cannot see what is going on in the systems or the programs. In the present paper HT-BASIC is introduced for the use of instrumentation and control by use of note PC. The HP-BASIC was a well acknowledged software to control mesurement systems by PC. Researchers could manipulate them for their own use. Since discontinuance of the PC specified for the use of the HP-BASIC the software became unpopular. But new version of the HP-BASIC those name was changed to "HT-BASIC for WINDOWS" is designed to work well in WINDOWS environment.We can make personal systems for instrumnetand control by the "HT-BASIC for WINDOWS" without much difficulty.

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 要旨
HT-BASICを使用したノートパソコンによる計測・制御システムのプログラミングについて詳述している。現在、 パソコンを使用した計測・制御システムとしては、市販のアナログ信号変換ボードに付属しているソフトを使用する か、GUIを多用した汎用の計測・制御ソフトを使用するかに分かれる。前者はユーザ独自の変更のための自由度が少 なく、後者は簡便さを狙ったあまり、GUIの便利さに隠れて実際の計測の流れが見えないという性質がある。またC 言語を基礎におくシステムでは、しばらくたつと設計者でもプログラムの流れが見えなくなるという本質的な欠点が ある。HT-BASICは前身をHP社のHP-BASICに置く計測・制御システム構築のためのソフトウェアで、作業の流れ が大変にわかりやすい言語構造をもっている。とくに最近のバージョンはWINDOWSに対応して使いよいソフトに 改良されている。実験装置を組み立て・実験の遂行とデータ整理・現地調査・文献調査など、日ごろプログラムだけに 集中できない学生・研究者・技術者にとって、HT-BASICは、ノートPCレベルで計測・制御システムを自由に組み 立てるための必需品といえる。

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1. はじめに
インターネットによる情報検索や電子メールの交換・文書作成のための万能事務端末として、コンピュータは個人で持 つものになってきている。機能も向上し、Cray社が1976年に発売した27億円もするスーパーコンピュータCray1の速度 が160メガフロップス、メモリが8メガバイトだったのに比べると、現在普通のパソコンでクロック5ギガヘルツ、メモリ が500メガバイトだから、当時のスパコン以上の道具が机の上にある時代になった。計測方面でも利用されていて、汎用 のオペレーティングシステムWindows上で動作する計測ソフトウェア(VEE,Labviewなど)も普及している。しかし、こ れらのソフトはWindows独特のGUI(Guraphical User Interface)を利用して作られていて、簡単ではあるが操作の中身 がよく見えないという性質を持っている。研究・開発現場ではプログラムの中で明示的に何を行うかという作業を指示し て計測システムの制御を行いデータの収集をしないことにはその後の処理を行えないから、市販のソフトでは隔靴掻痒(か っかそうよう)の感を免れないのである5,6)。他方、移植性の高さで利用されているC言語も、操作者・計測されたデータ ・環境条件・計測システムの制御などの間で相互作用を行わせるといったインタラクティブ(interactive)なシステムを 作るには向いていない。作った本人以外にはプログラムの流れを理解しにくく、修正のたびにコメントを書き込んでおかな ければ、数年たつと作成した本人にもわからなくなってしまう。同じ作業でも多様な手法がありわかりにくいこと、作業を 関数として表現しなければならないために作成者によってアルゴリズムがまちまちであること、時間がたてば細やかな指定 を何のために行ったのか忘れてしまうことなどがその理由である。新人の研究員や学生諸君が多大のエネルギーをつぎ込み ながらも、自分の一部のように動作する計測システムを持ち得ない状況を見ていると、グラフィカルなプログラム全盛の時 代にはどうしても影が薄くなってしまったHT(HP)-BASICという言語を再評価せざるを得ない。本報告は計測システムを作 成する場合に、上記のような壁や悩みに直面されたことのある、すべての学生および技術者諸君のために、当研究所での経 緯を踏まえ、HT(HP)-BASICのアウトラインを紹介するものである。
(なお記載されている製品名、会社名は各社の登録商標または商標である。)

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参考文献
1)TransEra (2002) : TransEra THBasic Installing and Using manual.
2)TransEra (2002) : Transera HTBasicのオンラインマニュアル.
3)Ines(2001) : InesDAQのオンラインマニュアル.
4)Blair, John (1979) : Keyboard,Jul-Aug, pp.14/16, Hewlett-Packard.
5)CQ出版(1996) : パソコンによる計測・制御入門. トラ技スペシャル, No.53.
6)CQ出版(1999) : Windows PC による計測・制御入門. トラ技スペシャル, no.68.
7)藤原博文(1994) : Cプログラミング専門課程,技術評論社.
8)岩波書店(1981) : 科学特集号, 51-10.

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